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体温調節や重ね着が難しい着物。春~夏に工夫するべきポイントとは

#レンタル着物#和装
体温調節や重ね着が難しい着物。春~夏に工夫するべきポイントとは

春〜夏にかけては、卒業式や入学式、花火大会や夏祭りなど、着物を着用するシーンも増えてきます。特に最近では、卒業式や入学式のような行事に、着物を着用するお母さま方も増えています。
また日本の伝統服である着物は、TPOが重視される場でもおしゃれに着こなせるため、おすすめできるファッションです。しかし春はまだ肌寒かったり、夏は暑かったりと体温調節や重ね着が難しい着物は、着用が難しいものです。
そこで今回は春〜夏に着物を着用する際に、工夫できるポイントをご紹介していきます。快適に着物を着こなせるようにするためにも、ぜひ参考にしてみてください。

春〜夏に着用する着物とは

着物には「袷」「単衣」「薄物」と、3種類の生地があります。それぞれ季節によって着分けるのがマナーとされています。しかし近年はその日の気候に合わせて柔軟な着こなしをするケースも増えています。まずは春と夏、それぞれに着用する着物をご紹介します。

春に着用する着物

まだ少し肌寒さのある春は「袷」を着用します。袷は1年の中で着用される時期が長い着物であり、一般的に着物と認識されているものは袷です。袷は裏地のついた着物であり、着物ならではの重厚感が感じられます。
また夏に差し掛かる暖かめの春であれば、裏地のない「単衣」の着用がおすすめです。単衣は裏地がなく、袷よりも風通しが良い着物となっています。

夏に着用する着物

初夏から真夏にかけて着用する着物は、単衣よりも薄い生地である「薄物」です。薄物は生地の糸目を粗くして、風通しを良く仕立てられています。もっとも透け感が特徴の着物であり、夏のみ着用されます。また一般的に知られている「浴衣」とは、別物ですので、注意しましょう。

春に着物を着用する際の3つの工夫ポイント

春は卒業式や入学式など、着物が着用できるイベントも多くあります。そんな春は日差しが明るい一方、まだ肌寒さのある季節です。ここでは肌寒い春の日に着物を着用する際の、3つのポイントをお伝えします。

①羽織やストールをプラス

肌寒い場合は、着物に合わせられる羽織やストールを検討してみましょう。羽織は1日を通して寒い日におすすめで、しっかりと体を覆ってくれるため暖かく着物が着られます。柄も豊富にあるため、おしゃれさをプラスして着用することも可能です。
またストールはちょっとした寒さや、夕方以降の冷え込みが気になる際におすすめです。幅のあるマフラーのようなイメージで、肩から上半身を覆うようにかけます。着物の柄を隠すことなく、おしゃれのワンポイントとしても使えるアイテムです。羽織よりも持ち運びに適しており、生地の厚さによって防寒の程度もコントロールできます。

②インナーを着用する

3月や4月は風が冷たい日もあり、1日を通して冷え込む日も多く見られます。羽織やストールのように手荷物が増えてしまうのを避けたい場合には、ヒートテックやタイツなど、内側から防寒対策できるインナーがおすすめです。
着物着用時は、別途インナーとして長襦袢を着用しますが、長襦袢には防寒効果がありません。そのため長襦袢の下に、ヒートテックを着用することで、温かく着物が着用できます。ヒートテック着用の際には、長襦袢の色を合わせること、そして袖口からインナーが見えないように五分丈のものがおすすめです。
しかし冠婚葬祭のようなフォーマルな場では、なるべくインナー着用は避ける方が良いでしょう。なぜならちょっとした時にインナーが見えてしまうと、カジュアルな印象となってしまい、着物の着こなしを損ねてしまうからです。

③タイツやレギンス、暖かい素材の足袋を履く

着物は下半身、足元が冷えやすい服装です。下からの風通しが良いためです。足元が冷えるのを避けるためにも、タイツやレギンス、暖かい素材の足袋を履くことをおすすめします。
タイツやレギンスはヒートテックタイプのものもあるため、防寒には最適です。一方で裾がめくれた際に見えてしまいがちな部分でもあるため、着物に合った色柄を選ぶと良いでしょう。肌色に近い目立たない色であるほど、おすすめです。
また足袋は、フリース素材や裏起毛など、暖かい素材のものもあります。つま先が防寒できているだけでも、足元の冷えはかなり解消されるため、特に冷える日にはおすすめです。

夏に着物を着用する際の8つの工夫ポイント

全身を覆い、露出も少ない着物は、夏に着用するのは難しいと思われる方も多いでしょう。ここでは夏でも快適に着物を着用するための、8つの工夫ポイントをご紹介します。

①補正タオルを巻く

特に締め付けのある帯部分は、汗をかきやすい部位でもあります。補正タオルは余計に暑くなると思われがちですが、汗を吸収する重要な役割を果たします。さらに着物の汗染みを防いでくれるだけでなく、気崩れ防止にも役立ちます。より通気性を重視して補正したい場合には、熱をためこまないガーゼの使用がおすすめです。

②汗を吸収するインナーを着用する

汗が吸収されることで、暑さも和らぎます。そのため汗を吸収できるインナーの着用がおすすめです。汗を吸収する機能ではなく、クール素材のインナーも効果的です。
しかし汗を吸収することで下着が透けてしまうこともあるため、下着透けも同時に防ぎたい場合には、和装用の下着が良いでしょう。
汗とりパットがついている和装下着もあるため、夏に着物を着用する機会が多い場合には、1つ持っていて損はありません。

③保冷剤を使用する

保冷剤を持ち運び、首筋や脇の下を冷やせるようにしておくのも1つの方法です。また着付け前には、汗のかきやすい胸元に保冷剤を入れておくのもおすすめです。持ち運びに適しているのは不織布タイプの保冷剤で、バッグの中が濡れないようにジップロックなどに入れておくと良いでしょう。

④冷却シートを活用する

特に暑い夏の日中に着物を着用する場合には、首筋や脇の下に冷却シートを貼ると快適です。着付け前に貼っておくのも良く、脇の下であれば見えにくいため、着用時に貼っていても良いでしょう。首筋や脇の下は、効率的に体温を下げられる部位です。そのため暑い日は、首筋や脇の下を冷やすことがポイントです。

⑤麻の長襦袢を着用する

薄物は透け感が特徴の着物であるため、インナーとなる長襦袢の着用は必須です。実は長襦袢も工夫できるポイントの1つであり、夏は麻の長襦袢を着用することで、着物も快適に着こなせます。麻は吸水性と速乾性に優れている素材です。そのため汗をかいても不快感なく、着物が着用できます。

⑥制汗剤を使用する

着付け前に汗のかきやすい部位に、制汗剤を使用するのもおすすめです。制汗剤を使用している場合としていない場合とでは、汗をかく量にもかなり違いがあります。なるべく汗を抑えたいという方は、ぜひ制汗剤も使用してみてください。

⑦うちわや扇子を持つ

うちわや扇子は、ワンポイントのおしゃれとしてもおすすめのアイテムです。着物は洋服よりも風通しが良くないため、自発的に風を送り込んで上げることで、暑さを和らぎます。その際は袖口から仰いで風を入れるのが、上品な動作です。この際にうちわや扇子にミントスプレーをかけると、清涼感がアップします。

⑧日傘を持つ

外で着物を着用する時間が長い場合には、日傘があると快適です。暑さの原因の1つは、直射日光です。直射日光が遮れるアイテムとしては、日傘が一番おすすめです。日焼け対策としても役立つため、夏の日中は是非日傘を使用してみてください。

まとめ

今回は体温調整や重ね着が難しい、春〜夏にかけての着物の着用について、工夫すべきポイントをお伝えしました。着物は洋服のように手軽に重ね着や体温調節ができないことから、着用に難しいイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし工夫できるポイントは多くあるため、春や夏でも快適に着物が着用できます。ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、暑さや寒さの対策を工夫して着物を楽しんでみてください。
また、レンタルきもの岡本では、春や夏にぴったりの豊富な仕立てをご用意しています。観光用だけでなく、正装用の着物もご用意しているため、ぜひ行事などで着物を着用する際にはご活用ください。

こちらの記事を書いたのは 正装用着物専門店 レンタルきもの岡本

正装用着物専門店 レンタルきもの岡本
京都のレンタル着物発祥お店、レンタル着物岡本は、京都市内の観光地近く(祇園、八坂神社、清水寺、伏見稲荷大社など)に7 店舗の大型店舗をもつレンタル着物専門店、成人式や結婚式、七五三など様々な行事でお気軽にご利用頂けます。
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