着物の柄に込められた意味を知って、コーディネートをたのしもう
着物| 2019.10.21
着物の柄

日本の伝統的な衣装である着物。しかし、一括りに着物といっても、その起源は奈良時代にまで遡り、色や柄は多種多様。本来は重ね着によって寒さをしのいだり、麻生地によって暑さを和らげるための衣服として用いられてきました。
しかし、時代が経つにつれて日本特有の四季を意識した色使いや動植物をモチーフにした柄は、日本独自の文化や美的感覚を反映させ、個性を表現するものになっていきました。柄の意味を認識することで、コーディネートの幅が広がり、一層着物をたのしめるようになるでしょう。

ここでは、そんな着物の柄の意味についてご紹介していきます。柄の意味を知っておくことで、着物を纏う時間が一層有意義になるはずですので、着物選びの参考にしてみてください。

着物の柄に込められた意味

結婚式をはじめとして着物を着用する場には、目上の方が同席することも多いかもしれません。そのため、着物に施されている柄の種類や格に注意し、自分の立場に合わせて着用する必要があります。
そもそも、着物が普及した当時は当人の格や個性を表現する意味を持っていました。つまりこれは、身分を考えて着用する必要があったということと同意です。特に鎌倉時代や室町時代には、武士社会だったため、それは顕著に表れていました。現在は、当時ほど厳格な決まりがあるわけではありませんが、今なおその意味は受け継がれているので注意が必要です。

また、着物には「侘び寂び」や「粋と雅」といった言葉で言い表されるように日本独自の美意識や、和歌や能をはじめとした日本独自の教養的な側面、さらには娯楽性のあるユニークなものまで、様々な種類がありそれぞれ意味が込められています。

着物の柄の種類

着物の柄には様々な意味が込められています。主に以下の8種に分類されます。

植物柄

着物の中でもイメージを持ちやすいものに植物柄が挙げられます。日本の四季は特に植物に反映されることが多く、季節の美を表現するために柄として用いられます。代表的なものといえば松竹梅が挙げられます。
松はその名の通り松の木をモチーフにした柄です。松は一年以上枯れない葉を持つ常緑樹や樹齢の長い木としても知られています。それによって、不変的な意味合いや長寿の意味を持っており、年間を通して着用できる柄になっています。

竹は「竹取物語」の「かぐや姫」に代表されるように神の象徴としての意味を持っています。また、青青とした緑でまっすぐ天に向かって生えていることから、縁起の良い柄としても知られており、こちらも年間を通して着用することができます。

最後に梅ですが、こちらは「万葉集」に頻繁に登場しており縁起の良い植物として知られています。また、豊かで華やかな香りを醸しながらも寒い冬を超えて咲き誇る姿は、不遇な境遇にも耐え忍び花を咲かせる強さのある植物を意味しています。こちらも年間を通して着用できます。
松竹梅の他にも、牡丹や菊、葡萄、瓜、朝顔、紅葉など様々な植物柄が施されています。

自然柄

波や霞、流水に代表される自然現象をモチーフにした自然柄は、着物が登場しはじめの時期にあたる奈良時代に図案として認識されたと言われており、特に日本人特有の美意識を象徴する柄になっています。
日本の歴史における波といえば、葛飾北斎の「神奈川沖波裏」は有名な芸術作品ですが、着物にも波をモチーフにした柄が施されています。一括りに波といっても小さな波から大きな波、荒れた波など様々な種類があり、海に囲まれた島国である日本ならではの表現となっています。こちらは年間を通して着用できます。

空気中に浮遊する水滴をモチーフに表現される霞。これもまた日本独自の美的センスといえるでしょう。日本特有の美的センスは無数に存在していますが、霞はその中でも日本らしさを感じることのできる柄になっています。こちらも年間を通して着用できます。
雨が落ち、山を伝って海へと運ばれる、その流水の流れは長い「人生」という旅を表していると言われています。こちらも年間を通して着用可能ですが、夏の着用をおすすめします。

動物柄

日本は中国から歴史的に様々な影響を受けています。もちろん、海外からの影響を受けていると言われている柄は他にもありますが、中でも龍や鳳凰に代表される動物柄はダイレクトに中国からの影響を受けているものでしょう。
動物柄の代表的な存在といえば、長寿の意味を持つ鶴や亀。着物には様々な願いが込められていますが、特に年配の方には鶴や亀が好まれることが多いようです。

日本の鳥とも言われているのが、全国的に繁殖している雀です。雀は季節を問わず全国で目にすることができることから、年間を通して着用できる動物柄です。
他にも蜻蛉(とんぼ)は夏や秋に多く見られる昆虫ですので、主に夏・秋に着用することをおすすめします。
他にも蝶や鹿、獅子などの動物が用いられていることもあります。

器物柄

日常的に活用される、生活において身近な物を柄として表現しているのが、器物柄。戦後の1950年ごろに白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が「三種の神器」と言われており、1960年にはカラーテレビ・クーラー・カーは3Cと呼ばれていました。時代に応じて日本人に必要とされるものは変わっていったものの、着物には日本古来の柄が今なお反映されています。

その象徴的な存在が扇の器物柄です。能をはじめとして、日本には芸能に関する娯楽が特徴的な国で、その際に用いられるのが扇でした。また、扇は広げると末広がりになることから、開運や商売繁盛の意味が込められています。
他にも、紙や車、船などが用いられていることもあります。

割付柄

同様の柄を上下左右に連続させ、規則的に並べて表現されているのが、割付柄です。
最も有名な割付柄というと鱗柄があります。三角形を連続的に用いており、病や魔物を追い払う意味が込められています。
他にも、石畳や亀甲、格子、網目、籠目など建造物や動物から連想されているものがあります。基本的に年間を通して着用ができます。

正倉院柄

奈良時代に東大寺に収蔵されていた工芸品に用いられていた柄として正倉院柄が知られています。
その中でも、代表的な柄が宝相華柄です。正倉院を代表する華やかで豪華な花柄は、ゴージャスな印象を与えます。
他には、鳳凰や鶴といった鳥が花に囲まれている花喰い鳥が正倉院柄とて知られており、神秘的で豪華な印象です。両方ともに年間を通して着用できる柄です。

有職柄

天皇をはじめとする朝廷に仕える身分の公家を表現しているのが有職柄。平安時代以降に認識された柄として知られており、幾何学模様をはじめ連続する柄を用いることで、高貴なイメージを与えてくれます。年間を通して着用できますが、目上の人と同席する場などは検討が必要かもしれません。

名物裂柄

最後は、インドから伝来したとして知られる名物裂柄。伝来は室町時代と言われており、鯉をモチーフにした荒磯や有栖川が有名です。また、年間を通して着用できます。

まとめ

ここでは多種多様な色や柄のある着物についてご紹介してきました。また具体例をあげてご紹介してきましたが、今回あげただけでも8種類の柄がありました。日本特有の四季や美的センスを直に投影させた着物の柄ですので、着物選びの際には参考にしてみてください。

着物はレンタルでお気軽にたのしめます。

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