憧れの着物「大島紬」とは?特徴や歴史をご紹介
着物| 2021.08.11
織物イメージ

大島紬は憧れの着物として世界的にも注目されている、日本が世界に誇る織物の1つです。特に大島紬は染色方法や上品な光沢感など、他の着物とは一線を画す特徴があります。
本記事では、正装「大島紬」の概要から特徴、歴史、そして世界三大着物についてもご紹介していきます。

大島紬とは?

大島紬とは、絹100%で織られた先染め手織りの着物のことで、「大島」と呼ばれるケースもあります。平織で絣合わせをして織られており、着物の中でも最高級の絹織物として知られています。「本場奄美大島紬」の名称で伝統工芸品にも指定されています。
また生産地としては鹿児島県南方に位置する奄美諸島の奄美大島で、生産地名がそのまま名前の由来になっています。別名「着物の女王」とも呼ばれており、日本が世界に誇る高級着物であり、世界三大織物の1つとしても名を連ねています。

大島紬の種類 染色別一覧

一括りに大島紬といっても、実は大島紬には主に7つの種類があります。以下が大島紬の種類です。
・泥大島紬:絣糸が泥白で地糸が泥染した大島紬
・泥藍大島紬:絣糸が藍染め地糸が泥染した大島紬
・正藍大島紬:絣糸・地糸共に藍染した大島紬
・草木染大島紬:絣糸・地糸共に草木染色した大島紬
・色大島紬:絣糸・地糸共に化学染料で染色した大島紬
・草木染大島紬:絣糸・地糸共に草木染色した大島紬
・白大島紬:地糸は白糸を使った大島紬

上記のように7種類に分けられますが、さらに細かく製法などによっても分類していくと80にも及ぶ種類があります。大島紬は絶妙に異なるさまざまな染色や製法によって豊富な種類があり、その豊富さがファンを作っている1つの要因でもあります。

大島紬の種類 柄別一覧

大島紬には染色方法や製法に加えて柄も豊富にあります。基本的には植物がベースになっています。

龍郷(たつごう)柄

龍郷柄は、奄美を代表する古典柄で、大島紬の柄でも特にメジャーなものの1つ。また奄美に自生する植物であるソテツの葉とソテツの実を幾何学模様でデザインした主に女性用の柄です。また龍郷柄以外にも、女性用の模様はさまざまな種類があり、​​古典模様や幾何学模様、草花模様、更紗模様が代表格です。

亀甲柄

龍郷柄が主に女性用の柄に対して、男物の小付け模様の代表が亀甲柄。大島紬に限らず着物において、亀甲は縁起の良い柄として知られており、こちらは男性を対象にした柄です。
また亀甲柄の他にも、男性用の模様はさまざまな模様があり、特に西郷柄、有馬柄、伝優柄、白雲柄が挙げられます。

古典模様一覧

女性用の古典模様としては、龍郷柄の他に以下の模様が挙げられます。
・十字繋
・子持井桁文
・井桁口十字文
・井桁違い
・つなぎ菱井桁文
・つなぎ角文
・つなぎ持角文
・雷文つなぎ
・源氏香文つなぎ
・源氏香(絵合わせ)
・源氏香(かげろう)
・源氏香文つなぎ
・算木(二崩文)
・算木(三崩文)
・石畳文(市松)
・石畳地口抽象文
・源氏香並び杵の石畳文
・本石畳
・変わり綱代文
・62波綱代文
・よろけ綱代文
・石畳口綱代文
・変わり綱代文
・綱代文

大島紬の特徴

大島紬イメージ
世界的にも評価されている大島紬ですが、ここでは大島紬の特徴をみていきましょう。

シワになりにくい

着物の特徴として、綺麗に保管しておかないとシワになりやすいことが挙げられます。一方で大島紬はシワになりにくい特徴があります。そのため着用する際にも、他の着物よりもシワを気にせず、着用できます。実際に着物を着用する際には、シワや扱いに関して億劫に思う方も多く、その点でも大島紬は優れた特性を持っています。

軽さとしなやかさを併せ持つ

シワ同様に着物は、重苦しく動きにくいというネガティブな印象をお持ちの方も多いかもしれません。一方で大島紬は軽さとしなやかさを併せ持つ着物として知られています。その特徴により、一度着用したら大島紬の快適性を忘れられず、手放せないという方もいるほどです。

上品な光沢感がある

大島紬は上品な光沢を放つ着物として知られています。ポップな色合いの着物とは異なり、上品な光沢によって一般的な着物とは一線を画す品格を持ち合わせています。また年齢を重ねることで、より大島紬の上品な光沢感がマッチするとあって、40~60代の方にも人気の着物の1つです。

天然の泥染めによって染め上げられる

先染めの着物として知られる大島紬は、その染め方にも大きな特徴があります。泥染めと呼ばれる泥を使った染め方で染め上げられます。また泥染めは世界的にみても、奄美大島だけで行われる染色方法です。
泥による染色は、絹糸が化学結合して染まっていくため、上記でご紹介したような上品で光沢感のある色に仕上がります。また色落ちしにくい点も、泥そめの特徴です。それを象徴するように、泥染めである大島紬は、親子3代で使える着物としても認知されています。

大島紬の歴史

日本には長い歴史があるさまざまな伝統工芸品がありますが、大島紬もその1つです。観光名所としても有名な奈良の東大寺にある記録書によれば、734年が大島紬の最古の記録として残っています。よって大島紬は、その記録以前から生産されていたとされ、1200年以上の長い歴史があります。

大島紬の起源・ルーツ

大島紬の起源・ルーツは、奄美大島で作られた紬であり、神代の時代です。神代とは一般的に神武天皇が即位するまでの、神が支配していた時代といわれています。神代の時代は別名、神話時代と呼ばれ、真相はわかりませんがそれほど古くから紬は存在していたということです。
また神代の時代に、神として崇められていた「阿麻弥姑(あまみこ)」が日常的に頭を絹で覆っていたとされています。それを見た奄美大島の女性が、少しでも神に近づきたいと願って「珍絹や珍首」を使用したのが起源とされているのが有力な説です。

大島紬と並び世界三大織物に数えられるゴブラン織とペルシャ絨毯とは?

世界には大島紬をはじめとして、さまざまな織物があります。その中でも特に秀逸な、大島紬、ゴブラン織、ペルシャ絨毯(じゅうたん)が、世界三大織物として知られています。

ゴブラン織

ゴブラン織は、5世紀頃に王室ご用達の織物であり、名前は生産者であるフランスのゴブラン(Gobelin)家の工房名に由来しています。またゴブラン織は、その繊細な見た目から布にプリントされているようにも見えますが、もちろん織物です。
またゴブラン織に代表される絵模様は、エジプト新王国時代(西暦紀元前1570年頃〜紀元前1070年頃)からコプト時代、中世ヨーロッパでも作られていたとされています。ただし実際にゴブラン織と呼ばれるようになったのは、15〜16世紀以降といわれています。

ペルシャ絨毯

ペルシャ絨毯とは、ペルシア文化圏に生産される織物で、主にハンドメイドの敷物のこと。15世紀以前から生産されていたとされていますが、一般的に知られるようになったのは主に1500〜1700年にかけてです。
多くのペルシャ絨毯は、結び(ノット)式で織られており、素材には羊毛をはじめヤギ毛やラクダ毛が使われるケースもあります。またデザイン・模様は、花文や動物文、メダイヨン文が中心です。

まとめ

本記事では、大島紬の概要から特徴、歴史、そして世界三大織物についてもご紹介してきました。軽さやしなやかさ、上品な光沢感といった特徴のある、憧れの大島紬の着物をぜひ着用してみてください。
レンタルきもの岡本では、大島紬のレンタルも可能です。また、大島紬のような正装をはじめとするさまざまな着用シーンに合わせた着物、振袖、袴など豊富にご用意しています。レンタルなので手軽に着用でき、和装にありがちな面倒なお手入れや管理も不要です。ぜひレンタル着物をご活用ください。

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