黒留袖と喪服着物のちがいとは?
留袖| 2021.07.20

日本古来から日本人に親しまれてきた和服。最近は着物のレンタルサービスの普及に伴って、旅先や観光地などで着物を着用する方が増えてきています。
昨今は昔ほど、厳格なルールが適応されていないのも事実ですが、和服を着用する際には格式をはじめ、着用する場所やタイミングなど、注意すべき点がいくつかあります。
本記事では数ある和服の中でも、黒留袖と喪服着物にスポットを当て、それぞれの特徴や違いについてご紹介していきます。

黒留袖と喪服着物を知るには和服の歴史を知ろう

まずは黒留袖と喪服着物の種類や選び方をお伝えする前に、ここでは和服の歴史と階級文化についてご紹介していきます。

和服の始まりは弥生時代から

和服の始まりは弥生時代と言われており、「小袖」が由来と言われています。小袖は庶民を中心として、広がっていった和服で、袖口が小さくつぼまった形状が特徴。
その後、飛鳥・奈良時代には身分制度が確立され、労働階級に応じて衣服の形状が変化するようになっていきました。
さらにその後の平安時代には、庶民が着用する小袖、上位階級の人々が着用する「大袖」の2つが本格的に確立していきました。また大袖を重ねて着用する「十二単」の登場もこの頃です。
そして鎌倉・室町時代には、現代和服の象徴とも言える「着物」が登場し、江戸時代には色・素材が身分によって設定されるようになりました。
現在、多くの方がイメージする和服は、鎌倉・室町時代、そして江戸時代から受け継がれる階級文化の名残である言えます。
特に黒留袖と喪服着物を着用する際は、和服の歴史である階級の文化が背景にあることを念頭に入れておきましょう。

礼服とは?

黒留袖と喪服着物についてご紹介する前に、礼服についてご紹介します。そもそも礼服とは正装(フォーマル)であり、重要な行事の際に着用する服のことを意味します。
また今回のテーマである、黒留袖と喪服着物は、どちらも礼服の一種です。礼服は、葬儀や通夜などの弔辞、結婚式や入学式、式典等の祝辞のどちらの場面でも着用します。
弔辞・祝辞と全く別の目的ではあるものの、正装(フォーマル)で行事に臨むという意味では共通しています。一方でビジネスシーンにおいては礼服を着用しませんので、ビジネススーツと礼服は異なります。

礼服を着用するタイミング・シーン

礼服は弔辞・祝辞のどちらでも着用する衣服ですが、さらに具体的なタイミングとシーンをご紹介していきます。
・お葬式
・お通夜
・七五三
・お宮参り
・結婚式
・入学式、入園式
・卒業式、卒園式
・成人式
・授与式 等
上記のように礼服はさまざまタイミングとシーンで着用されています。このように礼服は、正装(フォーマル)なシーンで着用する服の総称を指します。

黒留袖とは?

黒留袖とは、既婚女性が着用する最も格式高い着物で、その名の通り黒を基調にしている点が特徴。着用のタイミングとしては、結婚式や披露宴など重要な行事に着用する礼服の1つです。
また両袖の後ろ側と両胸、背中に合計5つの家紋がある着物の羽織です。黒留袖の意味合いとしては、参列者に礼儀と敬意、感謝の気持ちを表すことが挙げられます。

黒留袖の仕立てについて

黒留袖の大きな特徴としては、最も格式が高いこと、合計5つの家紋が入っていることです。その他、仕立てに関しては、「比翼仕立て」が用いられています。
比翼仕立てとは、袖口・振り・衿、裾回し部分を二重に仕立てた着物で、別名「人形仕立て」とも呼ばれています。また比翼とは、着物と長襦袢の間にもう一枚着物を着ているように見せるための白い布を意味します。これには「幸せを重ねる」「祝い事が重なる」という意味合いがあります。
黒留袖の比翼は格式を表し重要な行事にはベストな装いですが、重ねて着るため動きにくさや暑さが気になる場合もあります。そのため現在は、袖口・振り・衿、裾回し部分に比翼が縫い付けられた「付け比翼」が採用されている黒留袖が用いられるケースも増えています。

黒留袖を着用するルール・決まり事について

黒留袖は、結婚式や披露宴に着用されるのが一般的で、新郎新婦の母親や祖母をはじめ新郎新婦に関係が近しい親族が着用するのがルール・決まり事です。
近年は格式にこだわりすぎないケースも多くなっていますが、結婚式や披露宴といった重要なイベントでは格式を揃えるのが基本です。特に黒留袖は最も格式高い着物ですので、新郎新婦の親族で事前に話し合い、格式を合わせて行事に臨むのがベストです。
また黒留袖は合計5つの家紋が入っている着物ですので、家紋が3つの三つ紋や1つの一つ紋は好ましくありません。

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喪服着物とは?

喪服着物とは、人の弔いを意味する喪(も)の名の通り葬儀や通夜など弔辞の際着用される着物で、黒留袖同様に礼服の1つです。また喪服着物の種類は大きく分けて、「正喪服」「準喪服」の2種あります。

正喪服とは

正喪服とは、真っ黒に無地、そして黒留袖同様に両袖の後ろ側と両胸、背中に合計5つの家紋が入っているのが特徴。名前に正がついているように、喪服の中で最も格式高いものです。帯は黒無地の袋帯、帯締めは黒の平打か丸くげです。
着用のタイミングとしては、喪主をはじめ家族や親族が葬儀・告別式を行う場合、初七日・四十九日・一周忌等の法事が一般的です。その他にも故人との付き合いの深い方や親族に近しい場合など、関係性を考慮して正喪服を着用します。

準喪服とは

準喪服とは、黒以外の紺色・藍色・灰色等の暗い色に無地で、家紋が1つ入るのが特徴で、別名「色喪服」とも呼ばれます。帯は黒地かくすんだ色、帯締めは黒を使用します。
また準喪服の着用のタイミングは、喪主・親族は通夜・初七日や四十九日、一周忌・三回忌以降の法事が一般的です。ただし三回忌を目安に、喪の意味合いを簡略化していくのが礼儀でもあります。
そのため葬儀や通夜、告別式では準喪服で伺い、法事等ではより紺色・藍色・灰色に近しい色で伺うのが一般的です。

黒留袖と喪服着物のちがい

上記でご紹介したように、礼服の中には黒留袖と喪服着物があります。それぞれの大きな違いとしては、着用するタイミングです。黒留袖は結婚式や披露宴などの祝辞に、喪服着物は葬儀や通夜など弔辞に着用します。
着用するタイミングは明確ですが、仕様や格式、細かな点はどうしても現代では曖昧で着用が難しいのも事実。そのため親族に詳しい方がいない場合などは、着物レンタルを利用するのも1つの方法です。
着物の専門家が着用の背景を確認し、間違いのない着物選びをサポートしてくれます。

まとめ

今回は黒留袖と喪服着物にスポットを当て、それぞれの特徴や違いについてお伝えしました。思い出深い有意義な結婚式や披露宴等の祝辞、葬儀や通夜など相手への礼儀を表すに弔辞にするためにも、黒留袖と喪服着物の着用には注意し、和服選びの参考にしてみてください。
またレンタルきもの岡本では、さまざまな着用シーンに合わせた着物を豊富にご用意しています。レンタルなので手軽に着用でき、和装にありがちな面倒なお手入れや管理も不要です。購入すると高くついてしまう、1回きりのイベントで着用したいなどの場合には、ぜひレンタル着物をご活用ください。

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