二十四節気で楽しむ着物~立春に最適な着物やコーディネートをご紹介
2021.1.26
着物
現代では普段着として着物を着用する機会は少なくなりました。また着物はさまざまな種類があるため、選ぶのが難しいと思われている方も少なくないかもしれません。
しかし冠婚葬祭をはじめ旅行先や行事では、今なお着物は日本特有の服装として親しまれています。着物を現代で楽しむためには、季節に合わせて着分けることが重要です。
今回は季節による着物の着分けを、二十四節気の立春の観点からご紹介していきます。立春に着物を着用する機会のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
二十四節気とは
二十四節気とは日本の暦のことで、代表的なものは「春分」「夏至」「立秋」「冬至」です。1年を春夏秋冬の4つに分けたうち、各季節をさらに細かく6つに分けたものを「節気(せっき)」といいます。「節気」以外にも、「節(せつ)」「気中(きちゅう)」「中気(ちゅうき)」とも呼ばれます。
また二十四節気は太陽が天球上を移動する道である「黄道」を24等分したもの。古来は天候の目安として、農業などで用いられていました。現代でも季節イベントや時候の挨拶として使われています。
立春とは
二十四節気は春夏秋冬の各季節を、さらに細かく分けた季節の呼び名と時期のことです。つまり立春とは春の二十四節気の1つです。春の二十四節気には立春以外に、「雨水(うすい)」「啓蟄(けいちつ)」「春分」「清明(せいめい)」「穀雨(こくう)」があります。
二十四節気はそれぞれ具体的な日付が決められており、立春は2月4日頃とされています。年によって日付は1日ほど前後することがあるため、絶対的にその日付であるとは限りません。立春である2月4日は暦の上では春に向かっていますが、気候的にはまだまだ冬に近い時期となります。
立春にぴったりの着物やコーディネート
美しく着物を着こなすポイントは、季節によって着物を着分けることです。現代では季節ごとの着分けはそこまで重視されていませんが、だからこそ着分けることで他の方よりワンランク上の着こなしができます。
今回ご紹介している立春は冬が終わりを見せ始め、暖かで明るい春を迎える最初の暦です。着用の機会がある方は、ぜひ立春に最適な着物を選べるようにしておきましょう。
立春は袷の着物を
着物は季節によって3種類の仕立てがあります。立春の2月は、その中でも「袷」を着用する季節です。袷は主流な着物の仕立てで、他2種類の着物よりも着用される期間が長いものになります。裏地がついているため、10月〜5月あたりの春や秋、冬に着用されます。
また袷の着物でも素材によって、暖かさが異なります。立春は2月頭のまだまだ冷え込む季節であるため、暖かさを重視するのであればウールやシルクウールの素材がおすすめです。一方でオーソドックスな袷の素材は、絹や綿となります。
立春におすすめの着物の色
着物を季節によって着分ける場合に、ポイントとなるのは「季節の先取り」です。もちろん必ず先取りしなければならないわけではないため、立は冬らしいものでも問題ありません。なぜなら立春である2月頭は、暦の上では春の始まりですが、気候でいえば冬であるからです。
冬は草花の色が少なくなる寂しい季節なので、着物はあえて華やかな色合いのものを選びます。そのため冬の景色を華やかに彩るような、メリハリのきいた色合いがおすすめです。一方先取りして春らしさを取り入れたい場合には、桜をイメージしたピンク色をはじめ、パステルカラーが最適です。
また大人っぽい印象に仕上げたい場合には冬らしさを、可愛らしい印象に仕上げたい場合にはパステルカラーを取り入れた春らしさが良いでしょう。
立春におすすめの着物の柄
着物の柄の多くは、季節に関連する草花や動物などが描かれています。そして着物の柄も色と同様に、冬らしいものか春らしいものを取り入れましょう。基本的に着物の色と柄はリンクしているため、着用したい色・柄を軸にすると着物が選びやすいといえます。
冬らしい柄であれば「菊」「松竹梅」「水仙」などがあります。一方、春らしい柄でいえば「椿」「梅」「牡丹」「菖蒲」「霞」「笹」などが良いでしょう。春といえば「桜」ですが、立春の時期はまだ桜の季節といえるほどの春とはいえません。しかし桜柄は3分咲きの頃までの着用が一般的であるため、暖冬であれば立春で桜柄を取り入れてみるのもおすすめです。
また柄には季節が関係ないものもあります。たとえば「鶴」や「鳳凰」のような縁起物があしらわれている吉祥文様、「襷文」や「七宝」などの有職文様、「格子」や「縞」のような幾何学文様です。さらに無地の着物も季節関係なく着用できます。季節を問わない柄の着物は1着持っていると、幅広く着回せるためおすすめです。
立春におすすめの帯
帯も着物と同様に季節によって分けられており、「夏帯」「冬帯」の2種類があります。両者の違いは透け感であり、袷に合わせるのは透け感のない冬帯です。帯の色柄は、基本的に着物に合わせて選びます。
そのため選んだ着物をベースにしてチョイスしてみましょう。帯には草花が描かれていることも多いため、その場合は季節に合わせたモチーフを選んでみてください。
また帯にもさまざまな種類があります。立春に最適な帯は経錦・綴織・螺鈿・組帯・唐織という袋帯、塩瀬・縮緬という染帯、名物裂・刺しゅう・すくい織というなごや帯です。一般的に帯の種類は季節に合わせて種類が重視されることはありませんが、着分けにこだわりたい、重要な会食や行事に着物を着用したいなどの場合は、帯の種類にもこだわってみると良いでしょう。
小物選びのポイント
着物を着用するにあたり、多くの小物があります。代表的な小物は帯揚げやバッグ、草履です。小物は季節に合わせた種類がそこまで多くはないため、基本的には着物や帯を含めた全体のバランスで選んで問題ありません。例えば帯揚げやバッグは、着物の色合いに合わせて選ぶことで全体にまとまりが出ます。
また着物の下に着用する半衿や長襦袢も小物の1つです。しかしこれらは着物とセットになっていることも多く、立春であれば袷用のものを選びます。
小物の中でも特にバッグや帯揚げは着物全体のバランスや、着物を引き立てるポイントとしても重要です。ご自身で最適な組み合わせを選ぶのが難しい場合には、お店の方にアドバイスをもらうと失敗しないでしょう。
立春はまだ寒い!防寒対策を忘れずに
立春の2月頭は、まだまだ冷え込む時期です。地域によっては雪が降ることもあるでしょう。そのため風邪を引かないようにも、忘れずに防寒対策をしましょう。
インナーや羽織で防寒
襦袢の下にはヒートテックの着用がおすすめです。寒い時期に着物を着用する機会が多い場合には、防寒素材の和装下着を持っていると着物が着やすくなります。
またインナーだけでなく羽織を着用するとさらに防寒できます。羽織以外にも、ショールや道行コートなどもぴったりです。羽織やショール、コートは着物のおしゃれさもアップできるアイテムなので、寒い時期だからこそコーディネートを楽しんでみましょう。
足元の防寒も忘れずに
着物は足元が特に冷えます。そのため足袋の下にインナーやストッキングを履くと良いでしょう。その際には足先の着膨れを防ぐためにも、ワンサイズ上の足袋を選ぶことがポイント。また足元は足袋だけでスッキリさせたい場合には、足首までの下半身用のヒートテック着用もおすすめです。
まとめ
今回は二十四節気の1つである立春の着物についてご紹介しました。気候的に立春はまだ冬ですが、暦の上では春の始まりです。冬らしい着物を着用するのも、暖かい春を出迎えるように春らしさを先取りするのも良いでしょう。
立春はどちらの季節も着物に取り入れられる時期です。そのためその日の気分に合わせて、最適な着物を選んでみてください。
レンタルきもの岡本では豊富な仕立ての着物を用意しているため、立春にぴったりの着物をご提案いたします。ぜひ立春に着物を着用する機会がある方は、レンタルきもの岡本で立春に最適な着物を選んでみてください。
こちらの記事を書いたのは 正装用着物専門店 レンタルきもの岡本
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