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着物の必須アイテム、肌襦袢と長襦袢の違いについて解説

#レンタル着物#和装
着物の必須アイテム、肌襦袢と長襦袢の違いについて解説

着物を着る機会が少ない方にとっては、なかなか聞きなれない「襦袢(じゅばん)」という言葉。さらに「肌襦袢(はだじゅばん)」や「長襦袢(ながじゅばん)」などの種類があり、使い方や違いはあるのかと疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、着物の必須アイテムである肌襦袢と長襦袢の違いについて、初心者向けに詳しく解説していきます。一度覚えたら一生使える知識なので、ぜひこの機会に確認してみて下さい。

肌襦袢と長襦袢は使い方が全く異なる

肌襦袢と長襦袢は同じ「襦袢」という言葉がついているので、混同されがちなアイテムです。しかし、この2点は同じものではなく、使い方や目的が大きく異なります。

両方とも着付けに必須のアイテム

肌襦袢と長襦袢は、どちらも着付けに必要な大切なアイテムです。

まずは、着付けの基本的な順番を理解しておきましょう。

【着付けの順番(※)】
1.足袋を履く
2.裾よけと肌襦袢を巻く(必要であれば補正をする)
3.長襦袢をつける
4.着物を着て帯を巻く
(※:着付けの流派や、着る方の体格・ご年齢、着用シーンなど、さまざまな要素によって着付けの順番は変わることもあります)

役割や種類を理解して上手に選びましょう

一般的な着物の着付けにおいて、肌襦袢と長襦袢は、どちらかを抜かしたり代用したりすることはできません。

着る順番が決められていることからわかる通り、肌襦袢と長襦袢は、それぞれ役割が異なります。
自分に合ったものを間違えないように選ぶためにも、着用する目的や種類をしっかりと理解しておきましょう。

肌襦袢とは?

肌襦袢の役割や選び方について紹介します。

肌襦袢の役割・目的

肌襦袢は、肌着と呼ばれることもあります。その名の通り、肌(または和装ブラの上)に直接着用するものです。

肌襦袢は、汗を吸収したり着物の汚れを防いだりする目的があります。
肌襦袢は、着物ファッションにおける優れた下着です。着物を着たときに袖や襟が見えないデザインになっているのが特徴です。
夏場に私たちが洋服の下にキャミソールを合わせるように、肌襦袢はジメジメした季節を快適に過ごすことに役立ちます。また、冬場は寒さを和らげる保温効果も期待できます。

肌襦袢の素材・種類

【肌襦袢の素材】
肌襦袢の素材は、主に綿・絹・ガーゼ・クレープ・絽(ろ)が挙げられます。一般的には、通気性・吸水性に優れた綿の肌襦袢が多く流通しています。

【肌襦袢の種類】
肌襦袢の種類は、上半身のみのタイプ(基本デザイン)と、スリップ・ワンピースタイプのものがあります。
上半身のみの基本の肌襦袢は、「裾よけ」と呼ばれる巻きスカート状のものを一緒に着用することで、着物の肌着の役目を果たします。
スリップ・ワンピースタイプの肌襦袢は、基本の肌襦袢と裾よけが合体したものです。日常的に着物を着る方が着付けを簡略化するためのもので、礼装時には使われません。

肌襦袢の選び方

肌襦袢を選ぶコツは、「自分の体格に合っているか」「快適な素材かどうか」です。肌がデリケートな方は、さらし状のものなど、綿の加工方法にも着目してみてください。

肌襦袢の素材を季節によって使い分ける方もいらっしゃいます。しかし、人から見えるものではないので、基本的に1枚あればどの着物でも活用できます。
人それぞれの身長や胴回りなどによってぴったりのサイズが異なるので、よく確認しておきましょう。

長襦袢とは?

長襦袢の役割や選び方について紹介します。

長襦袢の役割・目的

長襦袢は、肌襦袢(と裾よけ)を着た後に重ねる、着物のような形のものです。
長襦袢は肌襦袢とは異なり、「見せない下着」よりも「見せるブラウス」の要素が強いのが特徴です。襟の部分が着物の外側へ見えたり、動いた時に袖から少し見え隠れするため、ファッション性が問われます。

長襦袢には、着物を汚れないようにすることと同時に、着付け姿を美しく整えて着崩れを防止する効果があります。
長襦袢の襟合わせや着こなしで、着物全体の見栄えが決まるといっても過言ではありません。襟の部分(半襟)を好みの柄に付け替えたり、襟芯を入れてパリッと見せたりすることもできます。

長襦袢の素材・種類

【長襦袢の素材】
肌襦袢の素材は、主に絹、麻、ウール、ポリエステルが挙げられます。一般的なのは、身体になじみやすく静電気が起こりにくい、絹の長襦袢です。織り方によって夏用・冬用どちらでも使えます。

【長襦袢の種類】
長襦袢には、着物のような形の一部式(基本デザイン)と、上下が分かれた二部式があります。
オーソドックスな一部式の長襦袢は、胴周りがもたつかず、スマートに着ることが可能です。しかし、長襦袢は着物のような「おはしょり(帯の下で丈を調節すること)」を作らないので、長すぎず短すぎない、着る人の身長に合ったものが必要です。
二部式襦袢は、半襦袢と同じ素材を使いつつ、着物の外に見える襟や袖の部分だけ絹を使っているものも多く、「うそつき襦袢」とも呼ばれます。着付けが簡単になる反面、胴周りが安定せず着崩れしやすいというデメリットもあるので注意しましょう。

長襦袢の選び方

長襦袢を選ぶコツは、「自分に合った身丈か」「着物との相性がいいデザインかどうか」です。長襦袢の身丈は、自分の身長の約8割くらいのものが目安と考えられています。くるぶしより長いものは、着物から裾がはみ出しやすくなるので使用できません。

長襦袢の襟の部分(半襟)は、シンプルな白が基本です。しかし、カジュアルな場面ではレース素材や柄ものも楽しめるので、いろいろと試してみたい方は半襟だけ付け替えるのもよいでしょう。

【まとめ】肌襦袢と長襦袢の特徴の違い

あらためて、肌襦袢と長襦袢の特徴の違いについてまとめてチェックしていきましょう。
・共通の目的:頻繁に洗えない着物を汚してしまうことを防止する
・異なる目的:(肌襦袢)汗を吸収する、保温 /(長襦袢)着崩れ防止、おしゃれ
・主な特徴:(肌襦袢)外から見えない /(長襦袢)襟や袖が外から見える
・主な素材:(肌襦袢)綿 /(長襦袢)絹
・主な選び方:(肌襦袢)着心地 /(長襦袢)身丈、デザイン、柄

洋服ファッションで例えると、肌襦袢は下着、長襦袢はブラウスです。
現在は、着付けの工程を楽にするために簡略化された商品もありますが、どちらかの襦袢だけでは完全に役目を補えるとは言いきれません。美しく快適な着こなしのためには、肌襦袢と長襦袢の併用をおすすめします。

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こちらの記事を書いたのは 正装用着物専門店 レンタルきもの岡本

正装用着物専門店 レンタルきもの岡本
京都のレンタル着物発祥お店、レンタル着物岡本は、京都市内の観光地近く(祇園、八坂神社、清水寺、伏見稲荷大社など)に7 店舗の大型店舗をもつレンタル着物専門店、成人式や結婚式、七五三など様々な行事でお気軽にご利用頂けます。
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