秋に人気のレンタル着物「単衣」の特徴をご紹介
2022.8.21
着物
目次
秋になると着物のおしゃれを楽しみたくなりますね。一日ごとに変化する気温に、どんな着物を着れば心地よく過ごせるのか悩むのが楽しい季節でもあります。秋に着る着物は「単衣」という裏地のない着物です。単衣を着る時期、単衣の仕立て方と種類など単衣に関する様々なことを詳しく説明します。
単衣を着る時期
秋には単衣の着物を着ますが、いつ頃まで着られるのでしょうか。単衣を着る時期の目安は次の表の通りです。
【5月】袷・胴単衣
【6月】単衣・紗合わせ
【7月】薄物
【8月】薄物
【9月】紗合わせ・単衣
【10月】単衣・胴単衣・袷
【11~4月】袷
6月と10月が衣更えとされていますが、最近の気候に合わせて単衣の着物を着る時期が変化してきているようです。季節の変わり目に胴単衣や紗合わせなどの着物を楽しむのもお洒落ですね。
着物の仕立て方による種類
単衣の着物は袷と同じ絹織物で仕立てるため、表から見ると違いを見分けにくいことがあるかもしれません。単衣と袷の違いは裏地の有無です。裏地のある袷と裏地のない単衣の着物は仕立て方が異なります。裏地が付いていない単衣や薄物、浴衣などはほぼ同じ仕立て方になっています。
では袷、単衣や薄物それぞれの特徴について詳しく見てみましょう。
袷
袷の着物は裏地が付いた寒い時期に着る着物です。着物の裏地は、上の白い部分を胴裏(どううら)、色のついた裾の部分を八掛(はっかけ)といいます。色の付いた八掛の布地で袖口と裾に袘(ふき)を作り、表から少しだけ見えるように仕立てられています。
また、袷は着物全体に裏地が付いているため裏側の縫い目は一切見えません。袷か単衣か、わからないときは全体に裏地があり縫い目が見えない、袖口と裾に袘があるなどで見分けましょう。
冠婚葬祭などで着る着物は袷のものが多いです。留袖や振袖、訪問着など格の高い着物から、紬や小紋など普段着まで袷の着物を見かける機会が多いのではないでしょうか。
単衣
単衣は胴裏や八掛を付けず、表の生地だけで仕立てる着物です。春や秋、袷と薄物の間の時期に着用します。絹や麻、ウールなどで仕立てることが多くあります。最近は少なくなりましたが、冠婚葬祭で着るような格の高い着物も単衣で仕立てることがあります。空調の進化により暑い時期でも袷を着るようになったため、留袖などの単衣仕立ては少なくなってきています。単衣の着物はおしゃれな方の着物に変わってきているようです。
近年は暖かい時期が長い傾向にありますが、暦の上では袷を着る時期でも暑さを感じるときには胴単衣の着物がおすすめです。胴単衣は胴裏を付けず、八掛だけを付けて仕立てています。表から見ると八掛が付いているように見えるため、暑がりの方にはぴったりの仕立て方です。
薄物
薄物といわれる絽や紗、麻の着物は、単衣と同じ仕立て方をします。絽や紗は透け感があり、7〜8月の盛夏のみ着用する着物です。薄物と単衣の間に紗合わせを着こなす方もいらっしゃいます。紗合わせは紗と紗、紗と絽を重ねて仕立てた着物です。一昔前、紗合わせは薄物と単衣の間の数日間だけ着られる着物でした。最近の気候の変化や、厳格だった着物ルールの緩和で単衣と薄物の間の数週間で着られる方が増えています。
薄物には絽や紗、羅など透け感のある夏帯を合わせます。薄物から単衣に変わる頃は単衣の着物にも夏帯を合わせるといいでしょう。
秋に単衣を着るシーンは
秋は結婚式やパーティーなどに出席する機会が増えるという方も多いでしょう。最近は秋といっても気温が高い日が続くため、単衣の着物を着る時期も長くなっています。色無地や訪問着を単衣で仕立てておくと、秋のおよばれの機会に着ることができますね。
9月、10月の結婚式やお茶会などは単衣の訪問着で
9月から10月にかけて格の高い着物を着る機会が多いという方は、色無地や訪問着を単衣で仕立てておくといいでしょう。留袖を着るような近い親族以外で結婚式に参列する場合にも、単衣の訪問着や色無地が活躍します。
お茶会では一つ紋の色無地や訪問着を単衣で着る方も多いでしょう。お茶の行事などでは着物の格と同様に季節の着物ルールを大切にしています。カジュアルに着物を着るときは気候に合わせますが、お茶会やお稽古では衣更えの時期を守り10月からは袷の着物になります。お茶会など動くことの多い場合に着る単衣には、大きめの居敷当てを付けて仕立てておくと安心です。
9月から10月のパーティーには単衣の着物で
ドレスコードが平服指定のパーティーやレストランウェディングには単衣の色無地や訪問着、付下げ(つけさげ)などがおすすめです。付下げは訪問着の絵羽模様より少し控えめな柄で、訪問着に準じる着物のことです。付下げ訪問着ともいわれます。上前の衽から身頃にかけて、また袖や左胸に柄が描かれています。訪問着とは異なり、衿付けと袖付けの柄がつながらないのも付下げの特徴です。
付下げや色無地には金糸銀糸が少なめの洒落袋帯や名古屋帯を合わせましょう。9月は紗など夏の帯を、10月には袷用の帯を締めます。
大島紬や小紋を単衣で
紬や小紋は単衣で楽しみたいですね。大島紬や牛首紬などがある紬は単衣に仕立てても、おしゃれ着として楽しめます。単衣で仕立てた着物に飽きたら袷に仕立て直すことができます。単衣で何度も着た紬を洗い張りにだして仕立て直すと、独特の風合いに仕上がります。
秋におすすめ着物の柄
着物の柄には1年を通して着られる柄もありますが、季節ごとの柄もあります。
・9月 菊、稲穂、月見、葡萄、虫籠など
・10月 菊、銀杏、紅葉、柘榴(ざくろ)、吹き寄せなど
これらは秋に着る着物に使われる柄です。季節を少し先取りするぐらいがちょうどいいおしゃれな着こなしになります。
9月から10月に合わせる帯や小物のコーディネート
9月から10月にかけては気温の変化に合わせたコーディネートに迷う時期です。朝夕は肌寒く、日中は暑さが残る日もあるでしょう。帯や小物、羽織るものなど工夫が必要になってきますね。
秋の単衣の着物に合わせる帯や小物
秋の単衣には夏用の帯を用い、9月下旬から袷用の帯になります。秋の色や柄を合わせて、こなれ感を演出したいですね。銀杏や紅葉、葡萄などは秋の柄としてよく使われています。
観劇や同窓会などカジュアルなパーティーには名古屋帯、洒落袋帯などを合わせます。気軽なお食事会などは単衣の小紋や紬に半幅帯を合わせてもいいでしょう。
秋の色を使った単衣には洋服用のバッグを合わせても粋で格好よくきまります。手持ちのバッグでさまざまなコーディネートを楽しめそうです。
暑い日に単衣で出かけるなら下着に工夫を
9月や10月になっても最近は暑い日が多くなっています。単衣の着物が暑いと感じるときは下着で工夫するといいでしょう。麻の長襦袢やメッシュや汗取り用の肌襦袢、接触冷感の肌着などがおすすめです。また、メッシュの衿芯や帯板、へちまの帯板や帯枕を使うと熱がこもるのを防いでくれます。汗取りの役割があるので長襦袢や肌襦袢は必ず着用しましょう。帯に汗染みができないように、襦袢類でしっかり汗を取ることが大事です。
着物を着るとき羽織は必要?
着物を着て外出するときには必ず道行コートや羽織を着用するのがマナーとされていました。「帯付き」といい、コートなどを羽織らず帯が見えたまま外出することは失礼に当たるというルールです。最近はあまり厳格なルールにとらわれることも少なくなりました。外出時に帯や着物を汚れから守るためという理由で、羽織やコートを着る方が多くなっています。
単衣の着物の時期には単衣の羽織や、透け感のあるタイプの羽織を合わせます。レースなどの透けるタイプの羽織は、秋らしい色を選ぶと夏物と区別できますね。着物や帯を汚すことなく大事に着たい、着物とのコーディネートを楽しむため羽織を着るというのもお洒落です。
季節のルールを知って秋の着物を楽しもう
秋に着物を楽しむために季節のルールに合う着物を選びたいですね。パーティーや結婚式だけでなく普段のお出かけにも単衣の着物は活躍します。紬や小紋を粋に着こなせるようになるとおしゃれ上級者になれそうです。今年の秋は単衣の着物でお出かけしてみましょう。
単衣の着物はレンタルがおすすめ
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こちらの記事を書いたのは 正装用着物専門店 レンタルきもの岡本
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