夏の着物と冬の着物の違いは何?~冬におすすめの色柄とは~
2020.1.13
着物
着物は四季のイベントや冠婚葬祭など、年間を通して楽しむことができる装いです。そんな着物ですが、着物には夏用と冬用があることをご存じでしょうか。実は洋服同様に、着物にも衣替えの風習があります。そのため、洋服と同様に季節感を捉え四季にあった着物を選ぶことで、着こなしや、より一層着物を楽しむことができます。
ここでは、夏の着物と冬の着物の違いや、冬におすすめの色柄の着物をご紹介します。どんな種類の着物を着ればいいか迷われている方や、四季のイベントで着物を着たいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
3種類の着物を季節にあわせて着分ける
夏は半袖、冬はセーターを着るように、洋服は気候の変化にあわせて衣替えをします。日本には四季という明確な特徴があるので、季節の移りかわりにあわせて衣服や小物を変える習慣が生まれました。また、着物も洋服と同じように、衣替えをする決まりがあります。仕立てや生地の異なる3種類の着物を、四季に応じて着分けることがマナーです。
着物には、袷(あわせ)・単衣(ひとえ)・薄物の3種類があり、季節にあった最適な着物を選びます。また、帯などの小物類も着物と同じように季節にあわせて選ぶ必要があります。ここでは、袷・単衣・薄物のそれぞれの特徴や着用時期をご紹介します。
夏の着物と冬の着物の違い
着物は夏用着物と冬用着物があります。夏の着物と冬の着物の主な違いは仕立て生地の素材、質感、色合い、柄となります。季節ごとに着分けてコーディネートを楽しむことが出来ます。
春、秋、冬に着用する「袷」
袷は、胴回り・袖部分・裾回りに裏地の付いた仕立てが特徴の着物。裏地が付いていることで風を通しにくいため、肌寒い時期や真冬に最適です。
また、主に10月から5月の春、秋、冬に着用する着物です。最も着用できる時期が長く、1枚持っていると着回しがきくので重宝します。
季節の変わり目に着用する「単衣」
単衣は、裏地のない1枚仕立ての着物。季節が夏や秋へと移り変わる6月や9月に着用します。表生地が同じであるので見た目が袷と非常に似ていますが裏地のないものが単衣で、一般的には綿・化繊・紬の素材が用いられます。裏地は付いていませんが透け感はないのが特徴で、帯回りの小物は袷と同じものを使用します。
夏に着用する「薄物」
薄物は、透け感がある1枚仕立ての着物。裏地は付いておらず、風通しが良いため、主に7月から8月の暑い夏に着用します。一般的に使用される素材には、絹織物である絽や紗です。袷と単衣は同じ小物を使用して問題ありませんが、薄物は小物も専用のものを選びましょう。
上述の着用時期は目安であるため、その時の気温や体調にあわせて最適な着物を選ぶことをおすすめします。
季節を先取りした色柄が最適
様々な色柄があることが特徴である着物。どんな色柄を選べば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。季節にあわせた仕立てや生地を選ぶのと同じように、季節にふさわしい色柄を選ぶことで、着物をより一層おしゃれに着こなすことができます。
例えば、夏は涼しげな寒色、冬はあたたかさを感じる暖色など、季節感のある色が一般的です。また、着物には花や植物の柄が多く描かれているため、季節にあった花や植物の柄が最適です。
冬の着物は華やかな色やはっきりとした色がおすすめ
冬は葉が落ち花や植物の色合いが少なくなる季節です。そのため、色合いの少ない冬の景色に映えるようなピンクやベージュなどの華やかな色や、赤や緑などのはっきりとした色の着物がおすすめです。冬のイベントといえば、クリスマス・お正月が挙げられます。それらのイベントごとの着用の際は、その雰囲気にふさわしい色で着物のおしゃれを楽しみましょう。
冬におすすめの着物の柄
着物は、季節を先取りした柄を身に付けることが基本です。実際の季節にぴったりの柄よりも、1ヶ月から1ヶ月半ほど先の季節にあった柄を着用することが粋であると言われています。例えば、春を代表する桜柄の着物は、桜が満開の時期ではなく開花の直前までに着用するのが最適です。ここでは、冬におすすめの柄をご紹介します。
松
寒さに耐えて緑を保つ松は、冬にぴったりの柄です。葉が1年中青く枯れないことから、不老長寿を象徴する縁起の良い柄の代表として親しまれています。おめでたい日であるお正月に最適です。
梅
厳しい寒さを乗り越えて、いち早く花を咲かす梅は、縁起の良い花として人気を誇る柄の1つ。
1月から3月上旬くらいまでの時期に着用することで、春を待つ気持ちを表すことができます。
竹
極寒の中でもまっすぐに伸びる竹は、松、梅とともに古くから親しまれる縁起の良い柄。竹に雪が積もった文様である雪持ち竹は、寒い冬にぴったりの柄です。
椿
色鮮やかな椿は、華やかでモダンな印象を演出でき、冬の景色に映える柄です。椿には早咲きと遅咲きがあるため、寒さの増す12月から3月上旬まで長く着用することができます。
南天
美しい赤い実が特徴の南天。「難を転ずる」に通じる吉祥文様としても親しまれています。赤い実が、クリスマスやお正月の雰囲気によく合い、冬の景色によく映える柄です。
水仙
寒さの厳しい時期から春にかけて花を咲かす水仙。雪中花とも呼ばれる冬の代表的な花として知られています。可憐な花が上品な印象です。
季節を問わずに着用できる定番柄
季節にあわせて異なる柄の着物を揃えるのは大変に感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、四季にあわせた柄だけではなく、年間を通して着用できる柄もあります。最も長く着用できる袷を選ぶ場合は、1年中着られる定番の柄にすることで着回しの幅が広がるため、着物初心者の方におすすめです。
無地
柄のない着物であれば、どんな季節でも着用可能です。ピンクや黄色などの淡い色は、様々な季節で着回すことができるため重宝します。着物がシンプルなので、華やかな帯や小物を使用したコーディネートがおすすめです。
菊
不老不死を表すおめでたい柄の1つ。菊は秋から冬にかけて咲く花ですが、着物の柄としてデザインされた文様の場合は1年中着用して問題ありません。
蝶
春のイメージが強い蝶ですが、長寿や不死を象徴する縁起の良い柄として好まれていたことから、季節を問わず着用可能です。可憐に舞う姿が女性らしい印象で、色や形などデザインも豊富です。
唐花、唐草
唐花は、複数の花をあわせた文様。特定の花ではなく、牡丹や蓮のような形をした花を指します。唐草は、つる草やつる葉が絡み合っている様子を曲線で図にした柄です。唐花や唐草のように、実在しない架空の草花のモチーフは、通年で着用できます。
複数の季節の花が一緒に描かれている柄
単体で描かれている花柄は、季節を先取りしたものを選びますが、様々な季節の花が同時に描かれている文様であれば季節に関係なく着用可能です。
抽象的な柄
花のみ描かれた桜やねじり梅など、抽象化された花柄であれば、通年で着用できます。
まとめ
ここでは、夏の着物と冬の着物の違い、冬におすすめの色柄についてご紹介しました。季節にふさわしい仕立てや生地、色柄の着物を選ぶことで、季節感のある着こなしとなります。
また、冬はアウターや小物でコーディネートの幅が広がる季節。四季を意識した色柄の着物にあわせてアウターや小物を選び、トータルコーディネートをするのがおすすめです。
季節ごとに色柄の違う着物を揃えるのは大変です。しかし、レンタルであれば気軽に楽しむことができますので、着物のレンタルを活用し四季のイベントなど着物でお出掛けをしてはいかがでしょうか。
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こちらの記事を書いたのは 正装用着物専門店 レンタルきもの岡本
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