美しく着物を着よう~草履・下駄のサイズの選び方
2020.5.15
着物
靴のサイズが合わないと靴擦れや疲労に繋がってしまい、せっかくのお出かけが残念な思い出になってしまうこともありますよね。着物を着ている時も同じです。草履や下駄のサイズが合わないことで、歩きにくく転んでしまったことがある人も少なくありません。特に夏祭りや花火大会で経験する方が多いでしょう。また転倒や怪我だけでなく、着物の美しい着こなしにも影響してきます。
美しく、かつ快適に着物でお出かけするためにも草履と下駄のサイズの選び方は重要なポイントです。そのため今回は草履・下駄のサイズの選び方についてご紹介します。草履や下駄についてお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
草履と下駄の違い
草履も下駄も日本の伝統的な履物です。草履と下駄の違いについては、特に女性はご存知の方も多いでしょう。最近では着物屋さん以外でも夏になると草履・下駄の両方が販売されています。では厳密にはどうような違いがあるのかをみていきましょう。
草履(ぞうり)
草履は、正装として着物を着用する場合に履くことが多い履き物です。成人式の振袖のようにイベントで正装をする場合が当てはまります。
下駄との大きな違いは革でできていること。下駄は歩くときに音がなりますが、草履は革でできているため音が響きません。最近では革の他にも、布・ビニール・ウレタンなどが使用されています。
また草履にはさまざまなデザインがあるため、着物と合わせておしゃれをするのも楽しめます。
下駄(げた)
正装として履く草履とは異なり、下駄はカジュアルな場で履きます。夏祭りや花火大会の時の浴衣には下駄を合わせることが多いですね。下駄は木でできている硬い素材が特徴的。そのため歩くときには、下駄特有の音が響きます。また底が平らな草履とは違い、足をのせる台の上に突起が2つ付いています。これは「歯」と呼ばれる部分であり、高さがあるため従来は雨天時に重宝されていました。
また舞妓や花魁が履く「おこぼ」と呼ばれるものは、高さがある下駄の一種です。
草履・下駄のサイズの選び方
草履や下駄を履く習慣は今ではほとんどないに等しいでしょう。しかし着物や浴衣でお出かけをする機会は年に数回はあるかもしれません。また最近では京都のような観光地で着物を着て楽しむ方も多くなってきました。
そこで着物と同じく、慎重に選んでいただきたいのが草履と下駄のサイズです。間違った選び方をしてしまうと、その日のお出かけが台無しになってしまうケースも珍しくありません。そのため美しく着こなし、かつ快適にお出かけできるようにも草履や下駄のポイントを押さえて適切なサイズを選びましょう。
かかと−1cmが共通ポイント
着物や浴衣が美しい着姿になるポイントは、草履と下駄にあります。草履や下駄からかかとが1cmはみ出るくらいが、1番美しい着姿と言われています。従来は2〜3cmほどが美しい着姿といわれていましたが、履きなれないこともあり、かえって疲れてしまうことから1cmに落ち着きました。
通常靴を選ぶ際は、実寸サイズより小さいものを選ぶことはありません。そのため草履や下駄を選ぶ際に大きめサイズを選んでしまうことは、やってしまいがちな失敗ともいえます。
履き慣れてない方はぴったりサイズがおすすめ
実際に草履や下駄に履き慣れている方は少なく、実寸サイズより小さいものを履くことで、足に痛みを感じる方も多いでしょう。必ずしもかかとから−1cmが良いというわけではないため、心配な方はぴったりサイズでも問題ありません。しかし大きめサイズを選ぶのは避けましょう。その理由は後ほどご説明いたします。
草履や下駄のサイズを選ぶ際には「かかとが1cmはみ出るくらい」もしくは「ぴったりくらい」という2つを覚えておくと安心です。
実際に試着するのがベスト
身につけるもの全てに当てはまりますが、実際に試着した上での感覚を知ることが大切です。特に草履や下駄は普段履きするものとは感覚が全く異なるので、試着してサイズ感や履き心地を試す必要があります。
試着せずにサイズだけ確認して購入することは避けましょう。なぜなら実寸サイズを知っていても、メーカーによってサイズ感が違うこともあるからです。可能な場合は、試着した上で歩いてみるとより感覚を掴めます。
草履・下駄がキツイと感じたら
少し小さいサイズ、ぴったりサイズを履くことで、窮屈さを感じることもあるでしょう。その場合は草履・下駄の指を通す位置にある「鼻緒」と呼ばれる部分を、手の甲で広げてみましょう。そうすることで足がフィットする幅が広がり、馴染みやすく、さらに歩きやすくなるでしょう。履き慣れることで自分の足の形に定着してきます。
サイズ表記
草履や下駄のサイズは、一般的にはS・M・L・LLの形で表記されます。
一般的には下記のようなサイズ感覚です。
・Sサイズ:〜22cm
・Mサイズ:22.5〜23.5cm
・Lサイズ:24〜24.5cm
・LLサイズ:25〜25.5cm
このサイズ感覚はメーカーによっても異なるので、やはり実際に試着すると安心です。
草履・下駄のサイズが大きいデメリット
ではなぜ草履や下駄のサイズが大きいと良くないのでしょうか。
ここでサイズが大きいことで考えられる4つのデメリットをご紹介いたします。
着姿が美しく見えない
大きいサイズの草履や下駄を履くと、着姿が美しく見えません。草履や下駄は足全体を覆った靴とは異なり、鼻緒と呼ばれる部分だけで足を固定しています。つまりかかとは固定されてない状態。
そこで大きいサイズの草履や下駄を選んでしまうと、かかとをパカパカさせながら歩く姿になってしまいます。それでは凛とした美しい着姿の着物が台無しです。美しい着姿を際立たせるためにも、草履や下駄のサイズは大切なのです。
着崩れの原因になる
先にお伝えしたように、サイズが大きい草履や下駄ではかかとがパカパカしてしまいます。着物は裾が長いので、このパカパカしたかかとの部分で裾を踏んづけてしまうことで着崩れを引き起こしてしまいます。着崩れするとさらに裾が長くなってしまうので、さらに踏みやすくなってしまい、ますます着崩れしてしまいます。特に正装用の着物は裾が長いため、要注意です。
転びやすくなる
裾を踏んでしまうことは、着崩れの原因にもなりますが、一方で転倒の原因にもなり得ます。着物は小股で歩くので、体のバランスが取りにくいです。そのため草履や下駄のサイズが大きいと、より歩きづらく転びやすくなってしまうのです。
足音が気になる
主に下駄の場合、大きいサイズでかかとがパカパカすることで、地面と当たった時に必要以上に大きな音がなってしまいます。現代は道が舗装され、アスファルトや硬い地面が多いです。そのため余計に音が響いてしまい、悪目立ちしてしまうこともありえます。
草履・下駄の種類
草履や下駄にも、さらに細かい種類があります。自分の足の形にあった物を選ぶためにも、種類を知っておくと良いでしょう。
草履の形は2種類
草履には「舟型」「小判型」の2つの種類があります。舟型はすっきりとした細身の台、小判型は歩きやすい幅広の台です。より、きれいな着姿が良い場合には舟型、歩きやすさ重視の場合は小判型の草履を選ぶと良いでしょう。草履に履き慣れてない方で、歩く距離が長い場合、履いている時間帯が長い場合は小判型がおすすめです。
また台の形だけでなく、草履は高さにも種類があります。正装になればなるほど、草履の高さもアップ。正装用の着物は裾が長いということもあり、草履の高さも5〜6cmほどです。おしゃれ着や普段着に合わせるのであれば、3〜5cmほどが良いといわれています。
下駄の形は8種類
下駄には「駒下駄」「千両下駄(のめり)」「後丸下駄」「右近下駄」「舟型下駄」「日和下駄」「高下駄」「ぽっくり」の8種類があります。
「右近下駄」は比較的最近の形で、浴衣とセットで売られている下駄は右近下駄がほとんどです。全体が木でできている通常の下駄とは異なり、裏面がゴム素材なので滑りにくい下駄です。また草履と同じ感覚で履ける「舟型下駄」もよく目にします。底が2本歯の「駒下駄」は一般的な下駄の形ですが、最近では履いている方も少なくなっています。さらに「ぽっくり」は底をくり抜いた形の下駄です。七五三祝いの履物として知られていますが、最近では成人式や結婚式で履かれることも珍しくありません。
まとめ
今回は草履と下駄のサイズの選び方についてご紹介いたしました。着物特有の美しい着姿、さらに安全に着物を着こなすためにも草履や下駄のサイズ選びは重要なポイントです。また草履や下駄にも種類があるので、自分の足の形にあった物を選ぶと良いでしょう。
レンタルきもの岡本では、豊富な着物の種類に合わせて、草履や下駄も用意しています。着物のデザインに合わせた、草履や下駄選びはもちろん、美しい着姿で快適な時間を過ごせるよう選びましょう。
こちらの記事を書いたのは 正装用着物専門店 レンタルきもの岡本
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