毎年やってくる梅雨。着物を着るときの雨の日対策を紹介
2021.3.20
着物
四季のある日本の特徴的な季節に梅雨があります。梅雨の時期は、旅行や行事などで着物を着る日に、「天気予報と異なり、急に雨になった」という日も多くなりがちです。
特に旅行先などで着物を着用する際は、事前に予約することが必要となり、雨でも着物を着なければならないケースもでてくる事でしょう。しかし、着物でのお出かけに雨が重なってしまっても、梅雨対策を行っておけば安心です。
そこで、今回は着物を着用する際の、雨の日の対策についてご紹介します。雨の日でも快適に着物を楽しめるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
雨の日でも着物を着て大丈夫?
そもそも雨の日でも着物を着ても大丈夫なのでしょうか。結論から申し上げますと、着物が雨に濡れることはあまり好ましいこととは言えません。もちろん雨の日でも着物を着用して外出する事自体に問題はありません。しかし着物の生地は繊細であるため、濡れることで染みになり、素材が劣化してしまう可能性もあります。
また、雨だけでなくそれに伴う泥はねなどで汚れてしまう可能性もあります。そうならないためにも、雨の日はしっかりとした対策をして出かけることが大切です。
安心なのは洗える素材の着物
具体的な対策の前に、着物自体を雨に強いものにするのもおすすめです。雨の日でも安心な着物は、ポリエステルや綿のような洗える素材の着物です。特にポリエステルは洗えるだけでなく、水や汚れに強い素材です。着物ならではの重厚感や素材感は薄れてしまいますが、万が一雨や泥で汚れてしまった場合でも、ご自宅で洗えるので安心です。そのため着物に気を使いすぎることなく、出かけられるので、こういった素材の着物を着ていくことも、おすすめの方法の1つです。
着物を着るときの雨の日対策
ポリエステルのように雨に強い素材の着物もありますが、フォーマルな場で着用する必要がある場合や、ポリエステル等以外の着物でお出かけしたい場合もあるでしょう。そういった場合には、雨染みや泥はねで大切な着物を汚さないために、アイテムを使った対策することがおすすめです。ここでは雨の日の対策として着物を着るときにおすすめの対策グッズをいくつかご紹介していきます。
雨コートの着用
全身を纏う着物を雨や泥から守ってくれるのが、雨コートです。雨コートは着物用につくられており、丈も足元ギリギリまであります。防水・撥水加工がなされているため、雨の日でも安心して着物が着用できます。
最近では機能性だけでなく、デザイン性にも優れた雨コートも多く登場しています。色柄も豊富であるため、おしゃれさを損ねずに着用できる点が嬉しいポイントです。また雨コートには「一部式」と「二部式」の2タイプがあります。
一部式の雨コート
一部式は道中着タイプであり、洋服でいえばワンピースのような雨コートです。サッと手軽に羽織れる点が特徴で、急な雨でもすぐに着用できます。一部式の中でも着物と同じ衿合わせタイプのデザインであれば、スッキリとした着こなしとなります。また着脱もしやすいため、天候が安定しない時でも手軽に着分けられます。
二部式の雨コート
二部式は、上半身と下半身がセパレートになっている雨コートです。道行着タイプなので、フォーマルな場でも着用できます。上下が分かれていることで、雨の程度によって上半身だけの着用など、柔軟に着分けられる点が特徴です。また既製品でも着丈の調整がしやすいため、一部式よりも利便性が高い点が魅力です。
傘を使用する
もっとも手軽な雨対策は、傘の利用です。着物の特別感を楽しみたい場合は、和傘がおすすめです。和傘は着物を引き立てる、ワンポイントアイテムとしても最適です。普段から着物を着用する機会が多い方は、和傘を持っていて損はありません。着物を引き立てるだけでなく、和傘自体にも存在感があるため、雨の日でも特別な気分が味わえるでしょう。もちろん、普段使いの傘でも問題はありません。
ただし、普段使いの傘を使用する場合は、大きめサイズの使用がおすすめです。日傘のような小ぶりな傘の場合、雨や風が強い場合は十分に雨避け効果を発揮しません。直径120cmほどの傘であれば、安心して雨の中を歩けるでしょう。
雨草履を履く
雨によりもっとも影響を受けるのは足元です。特に草履は雨に染みやすい素材も多いため、雨の日は雨草履の着用がおすすめです。雨草履は、つま先に透明カバーがついています。透明カバーなので草履本来の外観を損ねずに、雨避けができる点が嬉しいポイントです。
またカバーがついていることで、足元の冷え防止にも役立ちます。取り外しが可能な草履カバーもあるため、持ち運びや手持ちの草履に装着したい場合に最適な方法の1つです。
しかしそれだけでは不安な場合もあるでしょう。そういった場合には、合皮やビニールコーティングされた草履がおすすめです。万が一、草履が濡れても雨によって草履の素材が、傷む心配がないからです。さらに厚底や滑り止め加工がなされている草履もあります。雨の程度に合わせて最適な草履を選んでみましょう。
撥水足袋カバーを使用する
草履が雨や泥で汚れる心配がなくとも、肌に直接触れる足袋が濡れていると、特有の不快感があります。特に足袋は乾きづらい素材であるため、濡れてしまうと不快感が残りますよね。そこで役立つのが、撥水足袋カバーです。通常の足袋の上から着用し、室内に上がる際には脱いで使用します。雨の日には必須、といっても過言ではないアイテムです。
バッグも雨から守ろう
トータルコーディネートを重視する場合、バッグの雨避けも忘れないようにしましょう。特に革製のような繊細な素材のバッグを使用するのであれば、雨避けをしないと染みができてしまいます。後から拭くだけでは、手遅れになってしまう可能性もあります。そのため着物や草履と合わせて、バッグもカバーしましょう。
手ぬぐいを持ち運ぶ
どんなに対策していても、歩いているうちに着物やバッグが濡れてしまうこともあります。そんな時はお手持ちの手ぬぐいで、都度濡れている箇所を拭きましょう。放置してしまうと、後からでは落とせない染みになってしまう可能性もあります。そのため雨の日は、手を拭く用のものとは別で、手ぬぐいを用意しておくと安心です。
雨が降りそうな日は事前に対策を
予報が外れる時もありますが、基本的に雨予報が出ていた場合や、雨が降りそうな場合は、事前に雨対策しておきましょう。雨コートは折り畳んでコンパクトに持ち運べるものもあるため、常に1つ携帯しておくと安心です。
また雨が降っていなくても、雲行きが怪しい場合には、折り畳み傘も持っておくと良いでしょう。しかし、折りたたみ傘は小さめなので、しっかりと雨避けしたい場合には、大きめの傘を持ち運んでください。雨の日は荷物が多くなってしまいますが、大切な着物を守り、かつ雨に濡れる不快感を避けるためには対策グッズを用意することをおすすめします。
急な雨にはどう対応する?
梅雨時期は特に、急な天候変化で雨が降り出すこともあります。そんな時はコンビニなどで、傘やレインコートを購入しましょう。コンビニは大きめタイプの傘が売っているため、着物の雨避け効果もばっちりです。また通常のレインコートですと、帯部分が窮屈になってしまうため、ポンチョタイプの購入がおすすめです。しかし、ゆったり着られる反面、下半身がカバーできないデメリットもあるので、ご注意ください。
また、着物で外を移動する時間が長くなる場合には、積極的にタクシーなどを利用する事もオススメです。というのも公共交通機関では人混みの中で着崩れてしまう場合や、すれ違う人が持つ傘の水滴や、車からとばされた水で着物が濡れてしまう可能性もあるからです。
公共交通機関に比べ、料金は高くなってしまいますが、雨で汚れてしまう事で発生する着物のクリーニング代を考慮すると、結果的にタクシー料金の方が安くなるという場合もあります。
まとめ
今回は着物を着るときの、雨の日の対策についてご紹介しました。ポリエステルや綿でない着物は、繊細な素材です。特にフォーマルな場で着用する格の高い着物ほど、雨による傷みや染みに弱いものです。雨に濡れると不快感があるだけでなく、着物にもダメージを与えてしまうため、必ず今回ご紹介した雨対策を施しましょう。
レンタきもの岡本では、洗濯・クリーニング不要です。
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こちらの記事を書いたのは 正装用着物専門店 レンタルきもの岡本
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